わたしには12歳下の弟がいます。
あまりにも年が離れていた事と、わたしが専門学校に通うことをきっかけに、東京へ出てしまった為に、あまり関わる時間がなかったまま大人になってしまいました。
高校生のときから一人暮らしをはじめた弟とは、本当にすれ違いが多かったのですが、2年前に200万円近い借金を抱えたことが発覚しました。
弟は二十代半ば。かなりの高額な借金に、わたしの方が狼狽えてしまうほどでしたが、この借金を見事に断捨離してしまったのです。
わたしには、到底真似できない3つの決断が、この窮地を救ったのです。
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弟の借金は、日産のJUKE(ジューク)の購入だった!
ちょっと、大げさに表現しましたが、借金の原因は車のローンです。総額で約200万円くらいだと聞いていました。
弟は高校卒業後に働きだしました。
もともと、身体が弱くて、高校は4年で卒業できるシステムだったそうですが、これをきちんと3年で卒業したのですね。
血圧のコントロールが上手くできないらしく、運動もままならないとお医者さんに言われていたそうです。
ですが、部活動にも参加して、軟式テニスの大会などでは、そこそこの成績をおさめるほどに頑張っていたという、ちょっと破天荒なヤツなんです。笑
そんな彼は、アルバイトから始めた仕事で、店長候補まで昇りつめ、20代前半で日産のJUKE(ジューク)を購入しました。
わたしは、車のことはよくわからないのですが、すごく大きくて、我が家ではみたことのないカッコよさがあったことを憶えています。
自分へのご褒美と、これからも頑張ろうという決意で購入したのだそうです。何件もお店をまわって、やっと、すべての条件をクリアした車に出会えたと大喜びしていました。
まぁ、ここまでの話は、わからなくもないんですよね。ところが、ここからが大問題なんです。
突然、家からJUKEが消えた。
ところが、昨年の11月。弟の車が突然、実家から消えました。
わたしがちょうど、実家を追い出された時期です。詳しいことは聞けずにいたのですが、父の話によると「売ったらしい」その一言でした。
えぇ!?あんなに大事にしていたのに何で!?
いくら破天荒な弟とはいえ、あまりのことに言葉を失った私です。
どうしても理由をしりたくて、弟に直接、話を聞いてみることにしました。
すると、これまた驚きの展開になっていたのです。
1.会社を辞めることにした。
弟が勤めている会社は、そこそこ知名度もあり、お店の数も決して少なくはありませんでした。
ですが、どうも経営が悪化しているらしく「このままでは破綻するのも時間の問題だろう」ということでした。
だから、近いうちに会社を辞めるというのです。そのときは、もうすでに決断した後だったようです。
あと少しで店長だったのに、ちょっと惜しい気もしますが、何か外にはもらせぬ事情もあったのでしょう。
「この会社を辞めれば、車通勤をする必要もなくなるしさ。」ですって。汗
わたしが弟の歳のときには、世の中の仕組みを、こんなに真面目に考えたことはありませんでした。「あいつムカつく!」とか言って、ツンツン尖った鼻たれ小僧でしたよ。笑
本当に、知らないうちに弟は、しっかり大人になっていました。
2.借金返済のために車を断捨離。
弟は、会社を辞めてしまえば給料がなくなることを覚悟していました。
ですが、車のローンがありますから、これは何とか返済しなければいけません。それも十分わかっていたのですね。
自分が頑張ったご褒美に、そしてこれからの昇進・昇格を目標に購入したジューク。だけど「勤め先へは未練も何もなくなった」ということで、車を手放してしまたのです。
購入して、それほど期間も経たずに手離すことになりましたから、かなり高値で引き取ってもらえたそうです。それで、ローンの概ねは片付いたと言っていました。
おそらくですけど、1回目の車検を通す前に手放しているはずです。
だけど、新潟ですよ!?車が無くなってしまうと、移動にはとても不便ですし、次の勤め先を探すにも、車が無いということのデメリットの方があきらかに多いのです。
両親も車を手放すことには反対していたそうですが、弟の決心は固かった!「とにかく借金返済が最優先だろ?」だって。
それは当然なんだけど、わたしには、絶対にできない選択と決断だと思いました。圧巻です。
くり返しになりますが、不便さのデメリットを考えてしまうと、どうしてもその決断ができないんですよね。
だけど、弟にとっては、借金返済が最優先事項!この判断力と決断力は素晴らしいと感じました。
3.自分の不自由さと不便さも断捨離!
弟は借金を手放す代わりに、仕事と車を同時に手放しました。
20代の中ば前ですから、わたしが同じ立場だったら絶望していると思います。ですが、弟はとても前向きな決断ができたと自負しているようです。笑
- 「車がないと仕事も見つけづらい」
- 「車がないと移動が不便」
- 「車がないと行動範囲が狭まる」
借金返済後に残った、リアルな現実。文字に起こしてみても、メチャクチャ気が滅入ってしまいます。
だけど、弟はものの見事にこの3つの問題をクリアしたのです。
- 電車で通える職場に再就職した。
- 車が無くても移動する手段を見つけた。
- 再就職後にバイクを買った。
12歳も年下の弟は、メチャクチャすごいと思います!
「そんなに全部一度に追い込まなくてもいいんじゃない?」と、傍で聞いていても心配になったのですが、文句も言わずに解決策を見つけてしまいました。
そう。ダメな理由、消極的な理由を手放すことが大事なんですよね。そして、別の方法を探してみることを諦めては、当然何も始まらないですよね。汗
すごいエネルギーの持ち主だな。あいつ。笑
弟に教えられた断捨離の極意
30代の半ばをすぎ、40が迫ってきている私ですが、弟との会話の中で、とても学びが多かったです。
自分の快適さ、自分の自由、自分の満足感、自分の不便さ、自分の不自由さ。
わたしは、先々のことや、現状を常識的に考えていたつもりでしたが「自分のことばかり」を自分中心で考えているなぁと反省させられました。
断捨離って、ものを捨てること、片付けること、無駄を省くこと、いろんなエッセンスが含まれていますよね。
今回の弟の決断にも、断捨離の極意が秘められているのではないかなぁと思いました。
兄弟の他愛もない会話でしたけど、お兄ちゃんは気の利いたことも言えず、気づかされることばかりでした。これではいかんのだけどなぁ~。なんてね。笑
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